みなさん、こんにちは。
マリンバ奏者の千田岩城です。
何だか今年の冬はあまり寒くないですね。
ぼくは寒いのが好きなので、
もうちょっと寒い冬を過ごしたいなあと思ってます。
先日の第一回目のポストを読んでくださった方、
ありがとうございます!!
思ってたより多くの方が読んでくださったみたいで、
すごく嬉しいです!
これからもどうぞよろしくお願いします!

もくじ
はじめての海外、はじめての海外でのコンクールはオーストリア
今日は初めて海外に行った時の事を書こうと思います。
初めて行ったのはオーストリアのリンツという街でした。
マリンバのコンクールを受けるためです。
はじめての海外、はじめての飛行機でドキドキ、はじめての海外で弾くことにビビっていました。
なぜビビっていたのかと言うと、実はこの時、人生2回目のスランプに陥ってたのです。。、
海外で弾ける事は嬉しかったのですが、自分がどんな演奏したら良いのか分からずに殻に閉じこもっていた毎日。。、
だって、僕の演奏を聞いた人は僕の演奏がヘタクソだなーと思っているのに、それを僕には言わず影で笑ってるんじゃないか、僕がやっている音楽はただの戯事ではないのだろうか。。、
そう思うと、伝えたい事はいっぱいあるのに、当たり障りのない演奏しかできなくなって、本当の自分と偽りの自分との温度差をすごく感じていました。
今思うと唯の独りよがりで、自分の思うように弾いてれば良かったんですけどね。
それが分からず、学内での試験やコンサートなどでモヤモヤしたまま弾いていたのです。
そんな時に海外で弾くことになり萎縮して、不安な気持ちでいっぱいでした。
なので、実際にコンクールでは一次予選で惨敗、日本や海外からの参加者の演奏に驚くばかりで更に萎縮していき、自分の音楽を否定する事しかできなかったんです。
それに加え、拙い英語でまともにコミュニケーションが取れない事にも落ち込んでいました。
そんな気持ちでオーストリアでのコンクール(10日間くらいだったかな?)を終え、次に向かったのはベルギーでのサマーアカデミー(講習会)です。
ベルギーでのサマーアカデミー
ベルギー セントトロイデンでのサマーアカデミーは講師の先生が3人(僕の日本の師匠もいました)、参加者が25人くらいでした。
もちろんみんなマリンバが上手、英語も堪能、更に萎縮していったのを覚えています。
期間中はそれぞれの先生のプライベートレッスン、マスタークラス(公開講義)、練習、ワンデートリップ、コンサートがあり、食事の時間は他の参加者と音楽の事やそれぞれの国の事を語らうかなり濃厚で充実した時間でした。
そんな期間中、自分の演奏を変える出来事が起きたのです。
lesson
そして、その時はきました。
講師の1人の先生(のちのベルギー人の師匠)のレッスンの時です。
もちろん萎縮しながら演奏をしていたのですが、先生にその事が見抜かれていたみたいで、「岩城、もっと自分を信じなさい。もっとオープンになって。」と言われたのです。
「え?良いの?」
「ベルギーという見知らぬ国でそんなこと言われちゃった。」
「エーイ!英語も話せず恥ずかしいけど、恥を晒して思い切って演奏しちゃえ!」
そう思って、笑われるのを覚悟で弾いてみたのです。
そうしたら先生が
「Very nice!!」
と言ったのです!!!!!
う!れ!し!い!
まさかの自分の演奏を褒めてくれた!!!
先生は続けて、「岩城はもっと自分を出しなさい。言いたい事を素直に。もっともっと。Open your mind. Open your mind.」と僕にアドバイスをくれました。
なので、「ハイ!自分を出します!」と自分に素直な演奏をしてみたんです。
先生は僕が弾いてる間ずっと「そう!そう弾いて!More! More! More! More! もっと自分を出して。もっと自分を開放して。」と言い続けました。
僕は言われるがまま自分の思う通りに弾いて、自分のやりたかった音楽を表現しました。
その瞬間、久しぶりに音楽が楽しいと感じました。
「もう何年ぶりだろう!こんなに音楽をするのが楽しいなんて!」
レッスンが終わると先生も僕も笑顔。
「ああ、僕は自分の思ってるように演奏しても良いんだ!」
そう感じると、すごく清々しい気持ちになって、その日のから演奏する事がすごく楽しくなったんです。
ファイナルコンサート
そのレッスンを受けてからは、弾くのが楽しい楽しい。
「自分の思うままに弾くのってこんなに楽しいことなんだ!」
ベルギーに来て本当に良かった。
新しいけど、本当の自分の演奏を手に入れた。
そんな気持ちで迎えた最終日のファイナルコンサート。
受験者全員が出演者です。
僕は自分の思うように弾いて、自分を出す事ができました。
ヤッター!!!
すると演奏後、はじめてできた外国の友人 ルーヴェン(ベルギー人で16歳の男の子)が僕のところに来てこう言ったのです。
「岩城、おめでとう!すごく良かった!」
自分の素直な演奏に対しての素直な感想に、僕はホクホクです。
すると彼は続けます。
「でも、あの部分はどうしてあんな表現をしたの?」
今まで日本では聞かれなかった質問に僕はびっくり。
僕はなぜそう演奏したか、どういう解釈で演奏したか説明しました。
すると、
「なるほどね。僕はこんなふうに思ってたけど、そんな解釈の仕方があったんだね。素晴らしい演奏をどうもありがとう。」
少しの時間ですが、自分の演奏についてディスカッションできた事がすごく嬉しかったです。
ありのままの自分の演奏を喜んでくれた上に、その先の話もできた。
何より、年齢も国籍も関係なく音楽の話ができた。
僕は自分を信じて演奏すれば良いと強く感じたのです。
僕がやっている音楽には歌詞はありません。
それに、僕は拙い英語しか話せない。
だけど、音楽で想いを伝える事ができた。
先日の記事でお話したように、僕は在日コリアンです。
日本にいれば日本人じゃない、韓国にいれば韓国人じゃないと言われます。
僕は何人だろう?
僕の気持ちを伝えるには、何語でどんなふうに伝えれば良いんだろう。
生まれてからずっと感じていた事です。
だけど思った。
「僕の言葉は音楽だ。僕の声は音楽だ。」
帰国、そして
1か月少しの滞在を終えて、帰国しました。
自分の音楽をする事ができて、それが嬉しくて、ホクホクした気持ちで。
で、帰国して1週間後に日本でコンクールを受けました。
僕が1つの目標としていたコンクールです。
でも、海外で自分の演奏ができた事が嬉しくて、賞とかどうでもよくなって自分の好きなように弾きました。
「どう思われようと、自分の言いたい事、伝えたい音楽ができれば良いや。」
すると、本番は大成功。
少しのミスはあったけど、自分の音楽ができたことが何より嬉しかったんです。
そして数日後、忘れた頃にコンクールの結果が郵送で届きました。
『第1位 千田岩城』
!!!!!!!!!
なんと。自分の思うように演奏できただけでも嬉しかったのに、なんと1位!
願ってもなかった嬉しい結果が届いたんです。
びっくりしたけど。本当に嬉しかったです。
「これからは自分の言いたい言葉を、自分の音楽を信じて良いんだ。」
と、確信を持てたんです。
もちろん生意気な事を言ってるとは思うけど、僕は自分の事を信じよう。
僕の声は音楽だ。
だけどもちゃんとオチがあった
これでスランプを抜け出し、自信が持てた僕。
でも、人生が笑いでできている僕には、ちゃんとオチがあったんです。
実は帰国した後に痛風になってしまったんです。。、
当時24歳、まさかの痛風!!!!!!
噓だろーーーー!!!!!
どうやら1か月の海外でのホテル暮らしで、偏った食事しか摂れなかった事、
コンクール前は願掛けのために禁酒していたので、それが終わるとビールばかり飲んでいた事、
それが仇となって痛風という形で現れてしまった。
痛風!
痛風!!
痛風!!!!!!!!!!!!!
24歳で痛風になった自分に笑いましたよ。。、
どうやら、ストレスでも痛風になりやすいらしいけど、
笑うしかなかったよね。。、
ちゃんとオチのある自分に完敗でした。
ま、こんなとこです。
自分の声は音楽だと思ったけど、もっといろんな人とコミュニケーション取りたいよねという事で、それから語学にも励むようになりましたとさ。
めでたし、めでたし。(?)
めでたしではどうか分かりませんが、僕の事、少しは知ってもらえたかなあ?
長々と書いてしまっったけど、今日はここまで!
最後まで読んでいただきありがとうございます!
また僕の投稿も読んでくださいね。
シーユースーン!!
iwaki